iDeCo 税金 資産運用

iDeCo検討:概要とメリット・デメリットとは!?

2022年2月27日

iDeCo(個人型確定拠出年金)の概要とメリット・デメリットについて初心者向けに解説します!

老後資金2000万円と言われていますが、昔とは異なり退職金で賄える方は少ないと思います。公的年金も減少傾向にあり、今後も少子高齢化から続くと見込まれます。そんな中、iDeCo(イデコ)を検討されている方も多いと思います。まず概要から解説します!

家計簿ママ

確定「拠出」年金という言葉のとおり、毎月決められた掛金を
支払う年金になります。裏を返すと年金受取時の額は決まって
いない(保証されていない)ということになります。

元本保証されている訳ではないのですね!?

好奇心旺盛なリスくん

iDeCo概要

20歳から60歳になるまでの期間に任意加入できます。毎月掛金を支払い、60歳以降に年金もしくは一時金として受け取る事ができます。原則60歳以降受け取りという点が注意点です!
また国が推奨している制度のため税制優遇もあります。

税制優遇

大きく3点あります。①の節税額の目安、③退職控除については↓の記事をご覧ください!
③退職控除は通常、勤続年数で計算されますが、iDeCoを年金として受け取る際には、「掛け金を払っていた年数」で計算され、退職金と同時に受け取る際には勤続年数と比べて大きい方が採用されるのが特徴です!受け取り前に転職をしてもあくまで掛金を払っていた年数で計算されます!ただし、会社からの退職金と公的年金も含めた控除額であることには注意が必要です。

あわせて読みたい

setsuyaku

iDeCo 税金

年収500万円家庭:生命保険料控除、iDeCo、ふるさと納税でいくら節約できる?

2023/3/19  

年収500万円家庭で生命保険料控除、iDeCo、ふるさと納税でいくら節約できる!?サラリーマン家庭で試算しました!

税制優遇ポイント

①掛金が控除されます!
→年間支払額が年末調整もしくは確定申告時に控除対象となります

②運用益が非課税!
→通常金融商品の運用益は課税対象(源泉分離課税20.315%)となりますが非課税

③受け取り時にも控除対象となります!
→年金の場合:「公的年金等控除」、一時金の場合:「退職所得控除」の対象となります

※②:特別法人税(積立金に対して年1.173%)は、現在課税が停止中(今後かかる可能性があります)

掛金限度額

毎月の掛け金には限度額があります。
掛け金の最低は5,000円からですが、手数料がかかるので10,000円以上がオススメです!
また掛け金は1,000円単位で設定可能です。

対象上限月額
自営業等(第1号被保険者)68,000円
公務員・私立学校教職員(第2号被保険者)12,000円
会社員(第2号被保険者)
企業年金あり(企業型確定拠出年金以外
12,000円
会社員(第2号被保険者)
企業年金あり(企業型確定拠出年金のみ
20,000円
会社員(第2号被保険者)
企業年金なし
23,000円
専業主婦(主夫)等(第3号被保険者)23,000円

商品選択

ここが重要な点ですが、どのような商品を選ぶかが老後の資産を決めることになります。
(申し込むだけではなく自分で選択する必要があります!)

ハイリスク・ハイリターンの商品を購入してもいいですし、ローリスク・ローリターンでもいいです。また、1商品だけでもいいですし、商品Aは掛け金の10%、商品Bは掛け金の20%という風に選択することもできます。大きく2種類に分かれます。元本変動型は後ほどさらに解説します。

元本確保型定期預金等ローリスク・ローリターン
元本変動型投資信託ハイリスク・ハイリターン

定期預金に比べれば投資信託はハイリスク・ハイリターンですが、投資信託の中でもインデックスファンドは中程度のリスク、アクティブファンドはハイリスクかと思います!詳しくは↓

あわせて読みたい

index_active

資産運用

初心者が知っておくべきインデックスファンドとアクティブファンドの違い

2023/3/19  

初心者がまず初めに知っておくべきインデックスファンドとアクティブファンドの違いをまとめました!投資信託を始めようと思っている方にオススメです!

ただし!iDeCoやNISAでは国民の資産運用のため国が推進していることもあり、比較的リスクが低い商品しかそもそも選択することはできません!ですので、それほど恐れる必要はありません。もしろ手数料がかかるので定期預金では逆に元金割れの可能性が高いです^^;

また、取り扱い金融機関(銀行、保険会社、証券会社等)をどこにするかによっても選択できる商品が異なります。

手数料

どの金融機関を選べばいいか分からないという方に、上記の商品バリエーションもありますが、その他の判断基準として手数料があります。税制優遇はあるものの手数料があるので、よく考えないと資産形成になりません。。主な手数料は3点です。

種類費用備考
初期費用2,829円初回のみ。主要な金融機関は
ほぼ同額です。
口座管理手数料171円~629円毎月かかるので安い金融機関が
オススメです。国民年金基金連合会・事務委託先金融機関に関する費用です。
運営管理機関手数料0~400円程度金融機関毎に異なります。
また年金もしくは一時金の受け取り時にも手数料がかかります。。
種類費用タイミング
資産管理手数料66円毎月
運営管理機関手数料357円毎月
給付事務手数料440円等1回あたり
移転時(企業型から個人型iDeCoへ変更)、脱退時にも手数料(4,000円前後)がかかります。

家計簿ママ

税制優遇ばかり取り上げられやすいiDeCoですが手数料はかなり多いことが分かったかと思います。毎月かかるので、「口座管理手数料」は171円、「運営管理機関手数料」は0円の金融機関を選んだ方がいいですね!

最低毎月、171円ですか!?
毎月の掛け金からすると結構大きな額ですね。。

好奇心旺盛なリスくん

受け取り方法

何れか選択ができます!

①一時金として一括受取
原則60歳から70歳の間に受け取れます

②年金として受取
原則60歳から5年以上20年以下の期間で運営管理機関が定める方法で受け取れます

③①一時金と②年金
→原則60歳時点で一部を一時金で受け取り、残りを年金で受け取る支給方法を取り扱っている運営管理機関もあります。※扱っていない場合もあります

↑で原則60歳という書き方をしましたが、加入期間により開始年齢が異なります。

加入期間受給開始年齢
10年以上60歳
8年以上10年未満61歳
6年以上8年未満62歳
4年以上6年未満63歳
2年以上4年未満64歳
1年以上2年未満65歳

原則60歳ということは60歳前でも受け取れるのですか?

好奇心旺盛なリスくん
家計簿ママ

一定以上の障害状態になった場合や加入者等が死亡した場合は、60歳前でも、障害給付金や死亡一時金を受給できますよ。

メリット・デメリット

概要は理解できたと思いますので、iDeCoのメリット・デメリットをまとめていきます。大きくは以下2点かと思います!

メリットデメリット
税制優遇がある
(控除対象・非課税)
手数料がかかる
(元本割れする可能性もある)
老後資産形成ができる毎月の支出額が増える
(60歳まで引き出せない)

1つ目は↑概要で解説しましたが、年金受取時の税金について少し解説します。公的年金控除が適用はされますが、年金額によっては税金がかかるので注意が必要です。

年金受取時の税金について

年金は所得税では「雑所得」として扱われ、公的年金と合算して公的年金控除の対象となります。つまり年金額によっては税金がかかります。公的年金を含む雑所得以外の合計所得金額により異なりますが、一般的なサラリーマンであれば1,000万円以下かと思いますので、その場合には↓が適用されます。
※65歳未満であれば60万円以下、65歳以上であれば110万円以下は所得0となり税金はかかりません。

年金の所得税計算方法

①所得金額の計算
→公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)

②①からさらに基礎控除(48万円)+社会保険料控除(国民健康保険料(後期高齢者医療保険料)・介護保険料等)等を引きます

③所得税=②×5.105%

年金受取人の年齢(a)公的年金等の収入金額の合計額(b)割合(c)控除額
65歳未満600,001円から1,299,999円まで100%600,000円
1,300,000円から4,099,999円まで75%275,000円
4,100,000円から7,699,999円まで85%685,000円
7,700,000円から9,999,999円まで95%1,455,000円
10,000,000円以上100%1,955,000円
65歳以上1,100,001円から3,299,999円まで100%1,100,000円
3,300,000円から4,099,999円まで75%275,000円
4,100,000円から7,699,999円まで85%685,000円
7,700,000円から9,999,999円まで95%1,455,000円
10,000,000円以上100%1,955,000円

年金税金額(例)

公的年金+iDeCo等の個人年金が年間200万円、社会保険料を10万円と仮定した場合

65歳未満:(200万円×75%-275,000-48万円-10万円)×5.105%=32,927円

65歳以上:(200万円×100%-1,10,000-48万円-10万円)×5.105%=16,336円

※その他保険料控除等がない場合

年金にも税金がかかる事があるのですね!?

好奇心旺盛なリスくん
家計簿ママ

住民税もかかる事があるので注意ですね!

商品の選び方

ここまで読み進めて、やはり60歳までの資金に余裕があるが老後資金については不安という方はもう少し解説していきます!金融機関は先に記載したとおり、手数料が安い所(毎月の手数料は171円のみ)として、商品の選び方は投資をした事がない人にとっては非常に難しいと思います。「eMAXIS Slim 米国株式」「全世界株式インデックス・ファンド」等、、何を言っているのか分からないと思います。商品自体はたくさんあるので、どのような種類があるかについて解説していきます!

家計簿ママ

投資では長期・積立・分散投資が良いと言われています。iDeCoの場合、基本的に毎月掛金が発生するので積立は必ず実施されます。

商品種類

定期預金<債権<株式、さらに国内<国外の方がリスクが高いです。また、国内外を含めたものや、↓リスクの大きさ2~5を含めたバランス型、先進国・米国などに特化した株式・債券と様々あります。

リスクの大きさ種類分類内容
元本確保型定期預金等定期預金等
2元本変動型
(投資信託)
国内債券型日本の公債や国内企業の社債に投資
3外国債券型外国の公債や外国企業の社債に投資
4国内株式型日本国内の企業の株式に投資
5外国株式型外国の企業の株式に投資
家計簿ママ

たくさん商品はありますが、大きく分けると上図のとおりです。その中でリスクを加味して、毎月の掛け金で商品Aは30%、商品Bは30%、商品Cは40%のように資産配分します。1つに絞ってもダメではありませんが、投資では大きな損失を避けるため、分散投資が基本です。商品Aの価格が急落しても全体として影響を抑える事ができます。

資産配分見直し

1度資産配分を決めたら、それで終わりではありません。定期預金であれば変わりはないですが、債券や株式は都度変化するため、資産が増減します。投資では多少変動があっても長期運用することで複利効果により元本を増やしやすくなります。ただし、あまりに損失が続く場合には毎月購入する資産配分を見直す必要があります。そのため、定期的に運用実績を確認することをオススメします!

資産配分の割合

一般的に若い頃はリスク高めで(価格を増やす)、60歳近くではリスク低め(価格が減らないように)と言われています。我が家でも海外株式メインです。また、リスクを抑える事から元本保証型100%が良いと考える方もいるかもしれませんが、あくまで手数料を考慮しない元本保証のため、あまりオススメはしません(手数料を考慮すると元本保証されない可能性があるため)

家計簿ママ

どうしてもリスクを取りたくない方(元本保証メインでiDeCoを考えている方)には生命保険の個人年金がオススメです。基本的に増えますし、配当が出る保険会社もあります。iDeCo(掛金全額)ほどではありませんが、最大4万円の生命保険料控除もあります!

運用結果

一番気になる実際にどうなのか!?という所ですが、我が家では毎月1万円の掛け金で100%海外株式でiDeCo実施中です(現在2年目)
気になる結果は!?…数千円のマイナスです。。これが現実と言いますか^^;
ただし節税効果は間違いなくあります。昨年は所得税が2万円程度還付されました!(住民税も同額想定)

何が言いたいかというと、↑でも書きましたが、長期運用が大事ということです。まだ元本・期間も少ないため複利効果が得られていないため、手数料分が多く当然の結果かと思っています(コロナの影響もありますが)。

いつから加入すべきか!?

長期運用の観点から早く加入した方が良いのか?という点についてですが、まずは、年単位(100歳まで)の家計簿を作成して、せめて60歳までの収支が見通してからをオススメしています!

年単位(100歳まで)の家計簿が分からない方はこちら↓

あわせて読みたい

excel_kakeibo

作り方

エクセル家計簿の作り方【簡単!無料テンプレートあり!】

エクセルで家計簿を作成したい方に向けて家計簿の作り方をまとめました!無料テンプレートあり!特に初めて家計簿を作成する方、一度は挑戦したけど挫折した方に見ていただきたいです!

↑の記事でも書いていますが、残高がマイナスになってはいけません!そのため、マイホームの購入やこどもの教育資金について検討が出来ていない(将来のおおよその見通しがついていない)場合、まだ加入しないことをオススメします!iDeCoは原則60歳まで引き出せないこと、口座管理手数料等がかかることから容易に始めるのはリスクがあります。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
kakeibo_mama

家計簿ママ

老後2000万円問題をきっかけに100歳までの家計簿を作成して愕然。。転職による年収アップ+節約しかないと奮闘するも充分な資産を形成するのは困難であることが判明!?ようやく資産運用について考え始める。定期預金と学資保険に限界を感じ、iDeCo→NISA→高配当株を実施中!日本高配当株がメイン。投資歴3年目!家計簿歴9年!少しでも参考になればと自身の経験をもとにブログも執筆中。

-iDeCo, 税金, 資産運用