実際に年収500万円の家庭でいくらまで控除が有効であるのか検証してみました!
所得税は年末控除(12月)もしくは確定申告(翌年1~3月)に直接還付金として各自の口座に振り込まれます。住民税も効果はあるのですが直接還付されるのではなく、翌年6月に1年分の住民税を計算する際に減額されます。還付でないのでお得感が少ないのですが、確実に効果はあります。
所得税は1月から12月を対象にして、住民税は6月から翌年5月までを対象にしているため取り扱いが異なります。
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年収500万円の所得税、住民税計算
まず前提として40歳未満のサラリーマンで年収500万円、こども2人(16歳未満)、妻との共働き(扶養控除対象外)を想定しています。
税金額は上記の記事(あわせて読みたい!)を参考しています↑
種類 | 金額 |
---|---|
年収(額面) | 5,000,000円 |
所得税 | 142,633円 |
住民税 | 247,200円 |
健康保険料 | 242,064円 |
厚生年金保険料 | 450,180円 |
雇用保険料 | 15,000円 |
手取額 | 3,902,923円 |
健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料は自身に還元があるものですので、安くはできません。
生命保険料、iDeCo、ふるさと納税、住宅ローン控除で安くできるのは「所得税・住民税」となります。
まず節税の前に所得税・住民税のおさらいです!
初めての方はこちらをご覧ください↓
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所得税、住民税の税金計算方法について知りたい方、少しでも安くしたい方はご覧ください!給与から毎回引かれているけど、よく分からない税金について解説していきます!
所得税・住民税の計算(生命保険、iDeCo、ふるさと納税なし)
所得税
①500万円ー(500万円×0.2+44万円)=356万円…所得金額
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除48万円+生命保険料控除0円+小規模企業共済等掛金控除iDeco0円+ふるさと納税0円)=2,372,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,372,000円×0.1ー97,500円=139,700円…所得税額(復興税なし)
④139,700*1.021=142,633円…所得税(復興税込み)※小数点以下切り捨て
住民税
①は所得税と同じ
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除43万円+生命保険料控除0円+小規模企業共済等掛金控除iDeco0円+ふるさと納税0円)=2,422,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,422,000円×0.1+5,000円=247,200円…住民税額(復興税込み)
↑の計算をしましたね!そのため、生命保険料控除、iDeCo、ふるさと納税は課税所得金額から引かれることになります。(ちなみに住宅ローン控除は所得税(復興税込み)から直接引かれます)
所得税の計算(生命保険控除あり)
一般・介護・年金すべての控除を上限額まで利用した所得税12万円控除するとどうなるでしょうか?
住民税は7万円が上限額です。
所得税
①は変わりはありません。
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除48万円+生命保険料控除12万円+小規模企業共済等掛金控除iDeco0円+ふるさと納税0円)=2,252,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,252,000円×0.1ー97,500円=127,700円…所得税額(復興税なし)
④127,700*1.021=130,381円…所得税(復興税込み)
142,633円ー130,381円=12,252円 安くなりましたね!
住民税
①は変わりません(所得税と同じ)
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除43万円+生命保険料控除7万円+小規模企業共済等掛金控除iDeco0円+ふるさと納税0円)=2,352,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,352,000円×0.1+5,000円=240,200円…住民税額(復興税込み)
住民税も247,200円ー240,200円=7,000円 安くなりましたね!
所得税の計算(生命保険控除+iDeCo)
生命保険料控除12万円からさらに毎月1万円ずつ年間12万円iDeCoの場合、全額12万円控除です!
所得税
①は変わりはありません。
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除48万円+生命保険料控除12万円+小規模企業共済等掛金控除iDeco12万円円+ふるさと納税0円)=2,132,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,132,000円×0.1ー97,500円=115,700円…所得税額(復興税なし)
④115,700*1.021=118,129円…所得税(復興税込み)
生命保険料もiDeCoもない時と比べると
142,633円ー118,129円=24,504円 安くなりましたね!
さらに生命保険料だけの時と比べると
130,381円ー118,129円=12,252円 安くなりましたね!
住民税
①は変わりません(所得税と同じ)
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除43万円+生命保険料控除7万円+小規模企業共済等掛金控除iDeco12万円+ふるさと納税0円)=2,232,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,232,000円×0.1+5,000円=228,200円…住民税額(復興税込み)
住民税も生命保険料・iDeCoがない時と比べると
247,200円ー228,200円=19,000円 安くなりましたね!
さらに生命保険料だけの時と比べると
240,200円ー228,200円=12,000円 安くなりましたね!
所得税の計算(生命保険控除+iDeCo+ふるさと納税)
ふるさと納税は寄付しているので、実際に還付金や減額とは少し違いますが、返礼品もあるので使えたらいいと思います。2000円負担があるので3万2000円ふるさと納税した場合で試算します。
※ここではワンストップではなく、年末調整や確定申告を想定しています。(ワンストップでは寄付先の上限がありますが、年末調整や確定申告が不要で、住民税からのみ控除されます)
所得税
①は変わりはありません。
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除48万円+生命保険料控除12万円+小規模企業共済等掛金控除iDeco12万円円+ふるさと納税3万円)=2,102,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,102,000円×0.1ー97,500円=112,700円…所得税額(復興税なし)
④112,700*1.021=115,066円…所得税(復興税込み)
生命保険料もiDeCoもふるさと納税もない時と比べると
142,633円ー115,066円=27,567円 安くなりましたね!
生命保険料とiDeCoだけの時と比べると
118,129円ー115,066円=3,063円 安くなりましたね!
住民税
住民税の控除は少し複雑です。
①は変わりません(所得税と同じ)
②356万円ー(健康保険料242,064円+厚生年金保険料450,180円+雇用保険料15,000円+基礎控除43万円+生命保険料控除7万円+小規模企業共済等掛金控除iDeco12万円)=2,352,000円(1000円未満は切り捨て)…課税所得金額
③2,232,000円×0.1ー26,937(ふるさと納税3万×0.1+ふるさと納税3万円×(0.9-所得税率0.1×1.021))+5,000円=201,263円…住民税額(復興税込み)
生命保険料もiDeCoもふるさと納税もない時と比べると
247,200円ー201,263円=45,937円 安くなりましたね!
さらに生命保険料とiDeCoだけの時と比べると
228,200円ー201,263円=26,937円 安くなりましたね!
まとめ
生命保険料控除12万円(最低年間24万円保険料)、iDeco控除12万(年間12万円保険料)、ふるさと納税控除3万円(実質3万2000円寄付)すると、もともとの金額より↓安くなりましたね!
所得税27,567円+住民税45,937円=73,504円も安くなるのですね!
これが毎年続くと考えると10年で約73万円、20年で約146万円です。
うまく活用したいですね!
種類 | 詳細 |
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所得税 | 142,633円→115,066円へ減額 (27,567円還付) |
住民税 | 247,200円→201,263円へ減額 (45,937円)翌年減額 |
住宅ローン控除がある場合にはその他控除に比べると金額が大きく、所得税から引ききれない(節税にならない)時があるので注意が必要です!最大136,500円が住民税から引かれますが、所得により異なります。